プチ旅コンシェルジュへようこそ。
いつも通勤・通学など、日常の生活で利用する中央線の沿線や中央本線・青梅線。その先の沿線には、日帰りで楽しめるスポットがたくさんある。
この連載では、毎回さまざまなテーマで駅から日帰りで楽しめるおすすめコースを紹介。よく利用する駅にも、少し歩けば知らなかった魅力が見えてくる。
次の休日は中央線に乗ってプチ旅しよう!

東飯能駅

森と水の国・北欧へ、東飯能駅からプチトリップ!

森と水が織りなす北欧は、美しく豊かな自然と調和するようなデザイン・雑貨も素敵で、多くの人の心を捉えて離さない魅力に溢れている。そんな北欧カルチャーを身近で楽しむなら、電車でいざ飯能へ。日帰りで北欧トリップしよう!

この記事の目次

目的地までのアクセスと歩き方

JR中央線新宿駅から青梅行きなら拝島駅で八高線に乗り換えて、約1時間10分(高尾行きなら立川駅と拝島駅で乗り換え)。東飯能駅から線路沿いに北上して、森を歩き、メッツァビレッジを楽しみ、最後に中心街を散策するコース。メッツァビレッジと中心街を結ぶバスもあるので、それを利用するのも手だ。森の遊歩道は里山ゆえ、アップダウンあり、ぬかるみあり。汚れてもいい滑りにくい靴が望ましい。長袖・長ズボンなど、虫除け対策も必須だ。


1.

遊歩道 宮沢湖への道[東飯能駅]

自然が息づく森の小径で木漏れ日を辿る

東飯能駅から、JR八高線を走る列車を横目に線路沿いに北上を。「飯能桜の森入口」の看板に従って進み、寶蔵寺(ほうぞうじ)の裏へ回ると『宮沢湖への道』遊歩道の入り口が見えてくる。

竹林や低木の合間の一本道を登ったら、いったん、振り返ってみよう。飯能の街が空と緑の隙間に広がり、爽快だ。
さて、いよいよ森の中へ。
明治天皇が立ち寄った「第二天覧山」や、山桜の巨木、草花、約10品種の桜が枝葉を伸ばす「飯能桜の森」を越え行くと、スギ、マツ、在来の灌木(かんぼく)などが自生する圧倒的な緑の世界に包まれる。クモの巣があったり、ヘビがゆったり小径を横断していたり、足元がぬかるんでいたりするが、鳥の声、虫の羽音、葉擦れの音などが耳に届き、森に棲む多彩な動植物たちの息遣いを肌で感じられる。自然をこよなく愛する北欧カルチャーを体感できる場所なのだ。

2.

メッツァビレッジ [東飯能駅/公園]

宮沢湖の畔で北欧カルチャーを満喫!

宮沢湖への案内表示に沿って森を抜けると、2018年にオープンしたメッツァビレッジに到着。ムーミンの物語の世界を再現する『ムーミンバレーパーク』へと誘う無料エリアは、並木道のアプローチからして、ここは北欧? と見紛うばかり。メッツァとは、フィンランド語で森という意味で、「宮沢湖と周辺の森の割合が、フィンランドに似ているんですよ」と、広報の泉屋瑠夏(るか)さん。
腹ごしらえするなら、水色の壁とギザギザ屋根が愛らしいバーガーショップ『nordics(ノルディックス)』へ。店員さんのおすすめは、バーガーノルディックス1738円(フレンチフライS、ドリンクS付き)だ。北欧をイメージしたオリジナルバーガーで、ブリオッシュタイプのふかふかバンズに、たっぷりの野菜とスモークサーモン&シュリンプをサンド。また、ドリンクは+200円で北欧ソーダにも変更可能だ。ラズベリー、ブルーベリーなど、北欧の人たちが愛するベリー系の甘酸っぱい香りとも相性抜群。
使われる器にも注目! ポップな色柄はフィンランドを代表する陶磁器ブランド「ARABIA(アラビア)」製。愛らしいムーミン柄もあるので、併設のショップも必見だ。
湖を満喫するなら、カヌー工房『Sågverk(ソグベルク)』でカヌー体験を。予約不要で湖に漕ぎ出すことができる。
「湖なので、波があまり立たないし、初心者でものんびり楽しめますよ」と、担当のスタッフさん。
パドルの使い方を教わったら、いざ湖上へ。最初こそドキドキだが、ジグザグのろのろ進めば、緑の中から飛び出すとんがり帽子の小屋や灯台も間近に見えてくる。空は広く、湖は青く、心がのびのびとしてくるようだ。
他に、北欧の遊牧民族に伝わる木製マグカップ・ククサを磨くワークショップにも心惹かれる。本来は白樺製だが、飯能ゆかりの桜、ヒノキ、クルミなどで製作したオリジナル4000円〜は、磨くほどにツヤピカになり、木目が美しく現れる。
湖畔には、北欧デザインの木製チェアが点在する「ノルディックスクエア」もあり、北欧スタイルのピクニックと洒落込もう。
マーケット棟2階『北欧雑貨』で、北欧メイドのスナックやビールなどを調達。フィンランド発クラフトビールのライティラン社クッコビールはIPA、ラガー、ペールラガーのヘレス、ピルスの4種各418円を揃え、香り華やか。また、北フィンランド産のジャガイモを用いた厚めのオイキア社のポテトチップス346円は、ザクザクとした歯触りがたまらない。お日様の下でのビールタイムは極上の時間だ。

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3.

飯能の街並み[東飯能駅]

名栗川(入間川)の川辺に広がるノスタルジックな街へ

ムーミンバレーパーク入り口脇から再び森の遊歩道に入るもよし、メッツァビレッジ入り口からバスに乗るもよし。バス利用の場合は、「メッツァ」バス停から「飯能駅北口」行きに乗り「中央通り」で下車しよう。そこは、飯能の中心街だ。
飯能の名スポットといえば、飯能河原だ。緑の合間を名栗川(入間川)がゆったり蛇行し、開放感に満ちている。小橋を渡って川べりの遊歩道を歩いたり、土手に腰掛けて本を読んだり。のどかなひとときを過ごすのも贅沢だ。
また、街中の路地めぐりも楽しい。飯能はかつて、木材、炭、幕末からは繭、生糸、明治中期には絹織物の集積地となり、店蔵や花街などが林立。飯高(はんこう)通り、大通りなど、街の至る所に土蔵造りや花街の名残がちりばめられ、往時の風情を今に伝えている。

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4.

Bookmark [東飯能駅/シェアスペース]

地元クリエーターの遊び心を持ち帰りたい

レトロ風情の飯能銀座商店街も外せない。昔ながらのベーカリー、和菓子店などが軒を連ねる中、元古本屋を改装した木造りのシェアスペースが客人を出迎える。
「人の集まる場所にしてほしい」というオーナーの想いをカタチにしたのは、仲間たちとこの店を運営する徳永一貴さんだ。
「飯能は多くのクリエーターが暮らす街。自分たちがおもしろいと思ったものを集めています」と、木製の忍者積み木を手に話す。
Toyクリエーター・野出正和さん作の、ならべっこ3080円(左)、kururin(クルリン)880円(中左)は、「遊び方は自由なんです。そこがユニークですよね」。
また、飯能周辺が産地の西川材雑貨も多く、なかでもペレット炭の飯能 炭(すみ)じろう700円(右)は「脱臭にもいいですが、炭としても使えるんですよ」。地元の技術と素材を用いるSaturday Factory製の一輪挿し2750円(中右)は、土台がまさかのナット! おうち時間を楽しむための雑貨が目白押しで、北欧の暮らしに通じる世界観を感じずにはいられない。

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北欧と飯能に通じる自然を愛する心

「森と水は飯能の宝です」と、『Bookmark』の徳永さんが語るように、日常的に豊かな自然に親しむ飯能の人たちからは、のびのびとした発想力と、温かな心遣いを感じる。自然を満喫したら、街には名酒場や蔵カフェもあるので、そちらに繰り出すのもいい。地元の人たちと語らい、酌み交わす夜もまた、忘れられない時間になる。

JRE MALLふるさと納税

 

北欧好きなら、飯能市のふるさと納税はいかが?ムーミンバレーパークオリジナルのARABIAマグやフィンランド式テントサウナ®の貸し切り体験プランなど、北欧を感じられる返礼品が勢ぞろい。
 
▼JRE MALLふるさと納税 飯能市の寄付ページはこちら
埼玉県飯能市へのふるさと納税は「JRE MALLふるさと納税」から

取材・文=佐藤さゆり 撮影=加藤熊三
上記の情報は2022年5月現在のものです。
※料金・営業時間・定休(休館・休園)日、イベント内容・期間などは変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、営業休止や営業時間・形態の変更、イベントの延期・中止など、掲載内容と異なる場合があります。

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